お悩み別 Q&A  - 不動産の相続 ー

Q3. 不動産を誰かに貸すことが相続税対策になると聞きました。そのとおりですか?

A. 貸地、貸家とすることで不動産の相続税評価額が下がりますので、その意味では相続税対策になります。しかし、貸地、貸家にすることで将来の有効活用が困難になること、相続後の処理が煩雑になること、物納ができないことといったデメリットも十分に考慮する必要があります。

【 解   説 】

 相続財産に不動産が含まれる場合、この不動産の評価は、路線価に面積を乗じ、立地条件や権利関係等による補正をして決定されます。
この評価額を下げる上で最も効果の大きい方法が、不動産を賃貸することです。 例えば貸地の場合、「借地権割合」という割合が路線価と共に定められており、地域によって概ね60%~70%となっています。

 例えば、借地権割合70%の地域の場合、更地ならば1億円の評価の土地でも、その価値のうち70%は借地人が持っている権利であり、所有者の持っている底地権の評価は、残りの30%に当たる3000万円となります。 貸家や貸家が建てられている土地についても、同様に評価額が減じられます。

 よって、多くの財産をお持ちのオーナー様は、税理士や不動産業者から、不動産を賃貸に出すことを勧められることがあります。確かに、相続税対策の観点のみからすれば、不動産を貸地や貸家にすることには大きなメリットがあります。

 しかし、貸地の相続税評価が更地の3割にまで減少すると言うことは、その土地の価値は貸地にしたことによって3割になってしまった(と国に評価されている)ということです。土地が必ず戻ってくる定期借地の場合は、評価減の割合はずっと小さくなります(借地権割合70%(底地権割合30%)の地域で、底地権の評価は55%)。

 また、相続後、借主の権利は当然相続人に対しても対抗できますから、相続人は折角相続した財産を自由に処分できず、更に共同相続の場合は誰が賃借人の窓口になるのか等、多くの問題があります。 このように、不動産を賃貸すべきかどうかは、相続税対策以外の観点、すなわち不動産の有効活用、相続後の権利処理の容易さといった観点も踏まえて総合的に検討する必要があります。

←元のページに戻る