お悩み別 Q&A  - 不動産の相続 ー

Q2. 賃貸用の不動産を所有しています。将来の相続を考えて何をすればよいですか?

A. 複数の法定相続人がいるのであれば、不動産が相続により共有状態になることがないよう、遺言書の作成、遺留分対策などをしておく必要があります。

【 解   説 】

 例えば奥様とお子様2人がいるオーナー様の場合、法定相続分は奥様2分の1、お子様はそれぞれ4分の1となります。このとき、もし遺言書がないままオーナー様が亡くなってしまえば、相続人が遺産分割協議をする必要がありますが、相続人全員が上記の法定相続の割合で権利を持っていることから、不動産は相続人全員の共有になってしまうことが少なからずあります。

 しかし、不動産が共有状態になると、売却等の処分をするには全員の同意が必要であったり、分割を求めてもまとまらなければ共有物分割請求という裁判手続が必要になったりすることから、有効活用が極めて難しくなってしまいます。 更に、賃貸用の不動産の場合は、賃料は誰が受け取りどのように分配するのか、借主からの修繕等の要望にどう対応するのか、借主が出て行ったときに原状回復はどうするのか、新しい入居者の募集、契約はどうするのか等、事あるごとに共有者間の協議が必要になり、非常に煩雑です。

 この点、多くのオーナー様が、「兄弟(親子)同士仲良く話し合って解決してくれるだろう」と楽観的に構えられるようですが、私達弁護士は、残念ながら相続を巡る問題をきっかけに親族の関係が冷たいものになっていくケースを沢山目にしています。そこで、オーナー様としては、不動産、特に賃貸用の不動産については誰かに単独で相続させる旨の遺言を書いておくことが得策です。

 ただし、そのような遺言をすると、現預金等で調整しても、どうしても各自の相続する財産が法定相続の場合と比べて不均衡になってしまいます。ある程度の不均衡はやむを得ないと思いますが、法定相続分の半分は「遺留分」といって、遺言があっても犯すことのできない権利として認められています。よって、遺留分を侵害された相続人から請求が有れば、結局不動産が共有状態となったり、遺留分を金銭で清算するために不動産の評価額で争いになったりという事態に陥ってしまいます。

 よって、遺言を作成する場合は、全ての財産と価格を一覧化して、少なくとも遺留分を侵害することのないよう、綿密に検討しておくことが大切です。

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