お悩み別 Q&A  - 賃料の増額 ー

Q3. 賃料増額の請求はどのような手順で行えばよいでしょうか?

A. まず、賃料相場や地価の動向を調査し、貸主に対して相応の根拠を持った新賃料を提案することが大切です。交渉が難航するようであれば弁護士に交渉を委任し、適正賃料について意見が合わないようであれば、不動産鑑定を行うことも一つの方法です。

【 解   説 】

 原則として、借主は賃料が不相当に高いと判断すれば、契約期間中であっても、賃料減額の請求をすることができます。ただし、契約書上で賃料を固定する期間を定めてある場合には、その期間内は減額請求が認められません。実務上、「契約当初5年間は賃料を据え置きとする」とか、「5年おきに賃料を見直す」等の文言が用いられることがあります。

 借地、借家の貸主は、契約書上で賃料据置き期間が明示されていない限り、賃料が不相当になったと考えるときはいつでも、賃料増額請求をすることができます。

 しかし、実際に増額請求をする際には、果たして増額請求をすべき時期か、そうであるとしていくらへの増額を求めるか、慎重に検討すべきです。

 増額請求を成功させるためには、借主の立場に立ち、提案に応じやすい時期、応じやすい金額、応じやすい方法を取ることが大切です。具体的には、土地の固定資産税が上がったときに、税額の増加に比例した新賃料を提案すると、了承されやすい傾向にあります。 また、基本的には最初の通知は弁護士ではなくオーナー様ご本人からされた方が、物々しい雰囲気を与えず、スムーズに話しが進みます。

 ただし、従来から紛争のある借主に対しては、弁護士から賃料増額通知を出すこともあります。 交渉が折り合わないときは、交渉を弁護士に委任すると共に、適正賃料について不動産鑑定士の意見書(鑑定書)をもらうことも有効です。この意見書は、借主の理解を促す道具となるだけでなく、交渉が不調となり最終的に訴訟になった場合にも証拠として利用できます。どの段階で鑑定を依頼するかは、費用対効果を踏まえて検討します。

 交渉がまとまらないときは、訴訟による解決を目指します。賃料増額の訴訟では、多くの場合、裁判所が不動産鑑定士に対し鑑定を依頼します。裁判官はこの鑑定結果に法的には拘束されませんが、実際には、鑑定結果どおりの判決になることも少なくありません。鑑定結果がオーナー様にとって不利なときは、鑑定書の内容を精査し、不合理な点を指摘することが重要です。

←元のページに戻る