お悩み別 Q&A  - 土地・建物の明け渡し ー

Q7. 立退料はどんなときに発生しますか? いくらになりますか?

A. 定期借地(借家)契約でない場合に、契約期間満了により明け渡しを求める際には、立退料の提供が必要になるのが通常です。賃料不払、無断転貸などの借主の落ち度で契約を解除する場合には、立退料は通常不要です。立退料の算定には、借家権価格、借地権価格といった基準が用いられますが、裁判例ではかなり幅があります。

【 解   説 】

 定期借家・定期借地契約でなければ、契約期間が満了しても、必ずしも明け渡し要求が認められるわけではありません(Q2.契約期間が満了すれば、明け渡しを求めることができますか? 参照)。明け渡しを求めるには、オーナー様自身がその物件を必要としている等、これを正当化する事情(「正当事由」といいます)が必要です。

 もっとも、正当事由が完全に認められる、あるいは全く認められないという事案は極めて稀で、ほとんどのケースでは、「貸主側にもある程度の正当事由はあるが、それだけで明け渡しを認めては借主に酷である」と判断されます。その場合に正当事由を補完する役割を担うのが、立退料です。実際の裁判では、立退料の額を争点とした和解協議が続けられることも少なくありません。

 立退料を算定する際の一つの基準が、「借地権価格」「借家権価格」です。正確な借地権価格、借家権価格を出すには不動産鑑定が必要ですが、以下のような簡易な計算方法もあります。

 借地権価格は、当該土地の固定資産評価額に、地域ごとの借地権割合(60%、70%等。国税庁のホームページで公表されている路線価図で確認できます)を乗じて計算します。例えば、固定資産評価額5000万円、借地権割合60%の土地であれば、借地権価格は5000万円×60%=3000万円となります。

 借家権価格は、敷地の土地について上記の借地権価格の30%と、建物について固定資産評価額の40%を加えて計算します。例えば、上記の土地上に評価額500万円の建物があり、これを貸している場合、借家権価格は(5000万円×60%×30%)+(500万円+40%)=1100万円となります。 私の場合、交渉の際にはこの借地権価格、借家権価格を基に、正当事由の具備割合を掛けた立退料を提案することが多くあります。

 裁判になった場合は、上記の計算方法による借地権価格、借家権価格がそのまま立退料になる場合はほとんどなく、個別の事情を考慮して判断されます。過去の裁判例を見ると、立退料に統一的な基準はなく、事案によって(裁判官によって)、立退料の考え方に大きな差が見られます。このような状況が適切かは大いに疑問ですが、オーナー様としては、立退料の負担を少しでも抑えるため、主張を尽くす必要があります。

 立退料についてお悩みのオーナー様は、お気軽に御相談下さい。

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