お悩み別 Q&A  - 土地・建物の明け渡し ー

Q6. 明け渡し交渉は誰が行うべきですか?

A. 基本的には弁護士に委任された方が良いと思います。借主との関係が良好であれば、オーナー様ご自身がされることも考えられるでしょう。不動産業者に依頼することは法的な問題もあり、お勧めできません。

【 解   説 】

 一般に、明け渡し交渉は、①オーナー様ご自身が行う、②不動産業者に依頼する、③弁護士に依頼する、の3つのパターンが考えられます。

 オーナー様自身が交渉をされれば、経済的な負担は最も小さいですが、精神的・肉体的負担は最も大きくなります。オーナー様と借主の関係が良好であれば、合意に至ることもあります。しかし、そこで生活をしている人に「出て行って欲しい」ということは、誰でも気が引けるものです。借主もそのような大家さんの心理はわかりますから、強気な態度を示し、話しがまとまらないことが少なくありません。

 不動産業者に交渉を依頼するのは、最もリスクの大きい方法と言えます。弁護士法72条で、弁護士以外の者が業として法律事件・法律事務を取り扱うことは禁止されています。明け渡し交渉はほぼ例外なく法律事務に当たるでしょうから、不動産業者に交渉を委任することは、弁護士法72条に違反します。かつて、私がお付き合いのあったオーナー様が借家人がいるままの物件をある不動産業者に売却した所、その業者が暴力団を使って立ち退き交渉を行い、大きなニュースになったことがありました。

 

 更に、私の経験から言えば、不動産業者に交渉を委任すると、ほとんどの場合交渉が難航します。借主から「ヤクザみたいな男が乗り込んできて脅された」「大家が違法行為をしている」等の苦情が出て、後に裁判になったときにも感情的な対応を続け、和解による解決が困難になることがあります。

 また、仮に明け渡しに合意できたとしても、杜撰な合意書が作成され、その後の処理(建物の取り壊し等)に支障をきたすことがあります。

 法律に従い、円滑に明け渡し交渉を進めるためには、弁護士に委任されるのが最善の選択と考えます。弁護士であれば、法的に明け渡しが認められる事案なのか、立退料を払う必要があるならばどれくらいが妥当なのか、裁判になったときとのバランスで的確なアドバイスが可能です。交渉がこじれて裁判になったときにも、引き続き任せられるというメリットもあります。

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