不動産の有効活用に関する解決事例を御紹介します

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京橋総合法律事務所 弁護士 松浦裕介

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事  例

 Aさんは都心の一等地に両親から相続した土地と建物を所有していました。建物はもっぱらAさん一家の自宅として利用されていましたが、土地の建蔽率、容積率には余裕がありました。非常に好立地であることから、Aさんのもとにはアパートやマンションの建築を勧める不動産業者の営業が途絶えることはありませんでした。
 ある日、Aさんは中でも熱心だった数社の話を聞くことにしました。B社のプランは、マンションを建ててその最上階にAさんの住む部屋を作りその他の階は賃貸に出すというものでした。建設費用は全額借入で賄うものの、賃貸部分は全てB社がサブリースで借り受け、返済額を大きく上回る賃料を払うという内容でした。Aさんはこれならば空室リスクもなく収益を上げられると考え、B社の提案に応じることにしました。
 ところが、実際に建物が建ち賃貸を開始すると、現実の収益はB社が提示した予想収益よりも非常に悪く、ぎりぎりで採算ラインを確保するような状態でした。しかも、B社からは建築後わずか3年で、B社の計画通りの賃料では入居者を確保できないことを理由にサブリース賃料を30%減額することを求める賃料減額請求が届きました。
 困り果てたAさんは私のところへ相談にいらっしゃいました。


解  決

 Aさんから御相談を頂いた私は、賃料の増減額請求の可否は契約締結時から現在までの経済状況の変動等を考慮して判断されるものであるところ、契約からわずか3年で30%もの賃料減額が認められることは通常考えられないこと、B社がいわゆる逆ザヤの状態になっているのはB社の計画の甘さゆえでありAさんが賃料減額に応じる理由は無いこと、B社は最初から契約を得るために無謀な事業計画を提示し、後からこのような賃料減額を請求する予定だったのではないかと思われること等をアドバイスしました。
 Aさんは、まずは御自身で賃料減額に応じない旨の回答を出しましたが、B社は調停を申し立てました。私はAさんの代理人として調停に出廷し、賃料減額が認められる余地はなく、減額に応じる考えは一切ないことを回答しました。 調停は不調で終わりましたが、その後B社は賃料減額訴訟を提起することはなく、契約通りの賃料を支払っています。  


解決のポイント

1. 甘い話には裏がある!
 この事例のように魅力的な物件を所有していると、多くの業者が有効活用の提案を持ちかけてきます。業者もそのことをわかっていますので、表面的な利回りで他社を上回るような提案をしようと必死になります。
 この事例ほど悪質な業者は多くないでしょうが、建物の維持に掛かるコストが過小に見積もられていたり、逆に収入を過大に計上していたり(例えば30年以上経っても新築時と大差ない賃料でかつ空室率10%未満で運営できることを前提にしている等)、実現性に乏しい事業計画が提示されることは少なくありません。こうした事業計画には、概して「あくまで試算であり将来の収益を約束するものではない」というような留保が付いています。
 目先の利回りだけにとらわれず、冷静な目で有効活用の手段を検討する必要があります。


2. 契約する前に御相談を!
 この事例でAさんはすでにB社と契約をしてしまってから御相談にいらっしゃいました。幸い現在は収益を確保できていますが、このような無謀な営業をする相手ですから、将来的に倒産するリスクも高く、そうなればAさんの事業計画は大きく崩れてしまいます。
 このような事態を防ぐためには、とにかく契約前に御相談を頂くことが大切です。また、有効活用の方法を検討するにあたっては、オーナー様の人生設計や家族構成(将来の相続を見据えてどのような対策をするか等)、ご性格(リスクを取るか回避するか、管理の手間をどれだけ掛けられるか等)を把握していないと、通り一遍のアドバイスで終わってしまうことがあります。

 顧問弁護士としてこうした情報を詳しく把握させて頂くことで、よりその方に合ったアドバイスが可能になります。  

 

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