滞納賃料回収の解決事例を御紹介します

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京橋総合法律事務所 弁護士 松浦裕介

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事  例

 Aさんは、飲食店を経営するB社に対し、賃料月額50万円で店舗建物を賃貸していました。 契約締結当時は滞りなく賃料が支払われていましたが、2年ほど経ったころから、だんだんと支払が遅れるようになり、ついには2ヶ月間全く賃料が払われない状態になってしまいました。
 AさんはB社に対し、速やかに賃料を支払うよう求めた通知書を送りましたが、B社からは回答がありませんでした。現場に行くと、一応店は営業しているのですが、決して繁盛しているとは言えない状況のようでした。 契約書では、賃料を2か月滞納した場合には、催告せずに契約を解除できると定められていました。しかし、Aさんとしては、すぐに代わりのテナントが見つかるか不安だという迷いがあり、御相談にいらっしゃいました。


解  決

 私はAさんから委任をいただき、まずB社の経営状態に関し速やかに取得できる資料を探しました。このデータによると、B社は2年前から赤字となっており、実際にはデータ以上の赤字があるのではないかと予想されました。
 そこで、私はAさんに対し、B社の経営はかなり逼迫しているとみられ、仮に破産となった場合には滞納賃料は破産債権となり、配当が得られる見込みは小さいこと、損害の拡大を防ぐためには解除を選択した方がよいと考えられることを説明しました。
 私はAさんにご理解頂き、賃料不払を理由に契約を解除する旨の内容証明郵便を送り、通知到達後2週間以内に建物を明け渡すよう通知しました。 B社からはすぐに電話があり、「明け渡しはやむを得ないが、次の店舗を探すため、6か月明渡しを待って欲しい」との申入れがありました。
 私から「6か月も待つことはできない。3か月であれば待つが、これまでの滞納賃料も含め、資力のある第三者が連帯保証することが条件である。そうでなければ、建物明渡断行の仮処分を行い、即座に明渡しを実行する」と伝えました。数日後、B社からこれに応じる旨の話しがあり、連帯保証人C社を交えた合意書を作成しました。 結局、明渡しまでの賃料と滞納賃料はC社から支払われました。


解決のポイント

1. 滞納賃料の回収は、相手の資力や破産手続での配当見込を考えて!
 上記のAさんのように、「賃料は滞納されているが、空室になってしまうのは心配」「支払をいつまで待つべきか」という悩みはよく理解できます。このようなときは、借主にどれだけの資力があるのかを調べることが重要です。個人の借主の場合は勤務先等を聞いているでしょうし、法人であれば、ある程度の情報は取得することができます。
 また、「仮に賃借人が破産したときにはどうなるか」という視点も重要です。「借主は不動産を持っているから大丈夫だろう」というような考えは危険です。破産の場合、不動産には評価額以上の担保権がついているのが通常で、不動産売却の代金は担保権者が取得します。また、そのほかの財産も、税金・未払賃金などの財団債権から優先的に弁済されますので、滞納賃料のような破産債権にはほとんど配当のないケースが大半です。
 このように、回収のあてのない賃料債権を増やしていくことはあまりに危険です。相手に破産の可能性があれば、契約を解除するほうが得策です。

2. 一定の痛みを伴う覚悟を!
 Aさんのケースでは、B社が当面の倒産を回避するために、スポンサーであるC社の援助を受けたため、滞納賃料を回収することができました。しかし、このようなケースはむしろ稀で、「失うものは何もない」と開き直る借主も多くいます。 仮に明渡しの強制執行まで進んだ場合、執行費用は債権者である貸主が一旦納付する必要があります。この費用は借主に請求できますが、賃料も払えない借主にこれを負担する資力があることは稀です。つまり、貸主は滞納賃料を全く回収できないばかりか、強制執行費用も負担させられるという、大変腹立たしい状況になります。 しかし、だからといって明渡しをしなければ、いつまでも賃料は入ってこず、折角の物件が全く収益を生まない状態が続いてしまいます。先に述べた破産手続のケースも想定して、損害を最小限に食い止めるため、痛みを伴っても明渡しを進めるべき事例は少なくないと考えます。

 

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