土地明渡の解決事例を御紹介します

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京橋総合法律事務所 弁護士 松浦裕介

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事  例

 Aさんは、都心からほど近い好立地に、約100坪の土地を所有していました。 この土地は、戦後間もなくAさんの父親がBさんの父親に賃貸し、Bさんの父親が建物を建て、やがてAさんが土地を、Bさんが土地上の建物と借地権をそれぞれ相続しました。 その後周囲の開発が進みましたが、BさんはAさんからの地代値上げ要請に応じませんでした。土地上の建物は、ここ数年は物置のような状態になっていました。
 賃貸借契約の終期が近づき、Aさんは取引先銀行より紹介を受けたC弁護士に相談しましたが、C弁護士は「建物が建っている以上、Aさん自身が住むのでなければ、明渡しは不可能である。交渉をしても明渡しは無理だろう」との回答でした。 困り果てたAさんは、私のところへ御相談に来られました。


解  決

 Aさんの相談を受けた私は、まずBさんに意向確認のため電話したところ、Bさんは「絶対に明渡しには応じない。面談に来れば警察を呼ぶ」などと喚き散らし、徹底的に話合いを拒否しました。 私がAさんに「この土地が返還されたら、どのように使いたいのですか」と尋ねると、Aさんは「将来の相続税の問題も考え、賃貸アパートを建てたい。明渡しができてから具体的なプランを作ろうと考えていた」とのお話でした。
 そこで私は、お付き合いのあったデベロッパーをAさんにご紹介し、Aさんの希望にあった賃貸アパートの設計図と、これをデベロッパーにサブリースした場合の事業計画を作成してもらいました。Aさんもこの計画を大変気に入られました。 私は訴訟を提起し、この計画書を裁判の証拠として提出し、この土地が現在不経済な利用方法となっていること、Aさんにはこの土地を有効活用する計画があるのに対し、Bさんは建物を使っておらず、明渡しの正当事由が認められることを主張しました。
 他方で私は、Aさんに対して、立退料の提供なしに明渡しが認められるケースは極めて少ないこと、立退料は借地権価格を基礎に計算されることが多いこと、立退料の算定を有利に進めるためにはこちらから不動産鑑定士に借地権価格の鑑定を依頼することが重要であることをご説明しました。 Aさんにはご理解いただきましたので、懇意にしている不動産鑑定士の先生に借地権価格の鑑定を依頼し、これも証拠として提出しました。 裁判所の判決は、鑑定書に示された借地権価格と同額を立退料として支払うことで明渡しを認める内容でした。Aさんは立退料を支払い、土地の明渡しを受け、アパートを建築しました。サブリースのため計画通りの収益が得られ、立退料はすぐに回収できました。


解決のポイント

1. 「建物がある以上明渡しは不可能」という考えを捨てる!
 確かに、借地借家法という法律や判例によって、建物の存在する場合の借地権は強く保護されています。しかし、必ずしも明渡しが不可能というわけではありません。借地人が土地を必要とする事情と、オーナー様が土地を必要とする事情のどちらが強いのかという観点が大切です。

2. 立退料の鑑定はオーナー側から行う!
 残念ながら、立退料なしに借地や借家の明渡しが認められるケースはほとんどありません。それであれば、立退料をいかに安く抑えるかを考えるべきです。   不動産鑑定士に鑑定を依頼すれば当然費用がかかります。しかし、オーナー様が持っている情報を鑑定士に正確に伝えることで、オーナー様にとって納得感のある鑑定書を書いていただけるケースは多く、鑑定書の作成は必須と考えます。上記のケースのように、根拠のしっかりした鑑定書であれば、判決でもその結果がそのまま採用されることは少なくありません。

3. まずは交渉を!
 弁護士によっては、面倒な交渉を嫌い、いきなり裁判を提起することもあります。しかし本件では、Bさんも土地上の建物を使っていなかったのですから、Bさんが理性的であったなら、訴訟前に合意ができた可能性もあります。裁判になるとお互い頑なになり、和解が難しくなることもしばしばです。裁判で費やした時間の分ビジネスチャンスを逃してしまうことは大きな損失です。他方、のらりくらりと交渉を長期化させ立退料を吊り上げようとする借主もいますので、その見極めが大切です。 早期解決のためには、まずは交渉を試み、その感触次第で早期に訴訟提起するか、交渉を続けるかを判断すべきと言えます。

 

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